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『想い』
(作・北の狼)
ある山の中。
凄まじい銃声、爆発音、
そして、ゾイド同士のぶつかる音が幾重にも重なり鳴り響く、
そこは戦場だった。
戦場の中心から数qはなれたいくつかの岩陰にゴドス十数機からなる小隊が待機していた。
そして、戦場に背を向け、一つの岩に隠れるように待機しているゴドスが2機いた。
片方のパイロットはおやっさんの愛称で隊全員から父親のように慕われている老兵で機体にはパイルバンカーが装備されている。
もう片方のパイロットは、入隊2年目のまだ20歳にもなっていない新米の若造で、名前を「ボブ・デイビットソン」といった。
戦場はますます過激化していた。
その時だった。
戦場を真っ二つにするように青い光が地面を這うように伸びていくのが見えた。
「荷電粒子砲だ!」
ボブが叫んだ。
もちろん誰もが気が付いたことではあるが、ボブは荷電粒子砲を見るのが初めてだったので驚いていた。
手に汗握り、荷電粒子砲に驚き、恐怖感を隠すように集中しようとしているボブに無線が入った。
無線の相手はおやっさんだった。
「気にするなボブ。あれはデスザウラーだ」
ボブの気持ちを楽にしてやろうと冗談交じりで軽く言った。
ボブはそれくらい知ってますよ。といいながら笑みを浮かべた。
そして、もう一度戦場では大きな爆発が起きた。
「たった今、最前線部隊が敗走した。直ちに救出に向かう。進軍開始!」
ボブは、よし!と操縦桿を握った。
しかし、今にも動こうとした時、おやっさんに呼ばれた。
そして、おやっさんは静かに話し出した。
「わしは、この出撃を最後に退役するよ。もう歳だ。後は頼んだぞ青二才よ」
退役と言う言葉に少々戸惑ったが、そんなことは後で今は行きましょう。というボブの言葉を気にせず、おやっさんは話し続けた。
「後はお前達若いのがこの部隊を、この国を守ってくれることを祈っとるよ。・・・だから、お前は死ぬな、この戦い敵を倒すことは考えるな、仲間や己が生き残ることを考えろい」
おやっさんは一息つき、
「さ、ボブ、わしらも行こうかの」
はい!若々しいボブの返事とともに2人は隠れていた岩を出た。
その瞬間!
ボブは青い光に包まれた。
一瞬、気を失ったがすぐに戻り、はっとして機体の状態を確認した。
いつも間にか右腕がなくなっていた。
そして、
「おやっさん!だいじょう・・・ぶ・・す・・・・・・・・・・・・・・か」
おやっさんの機体は跡形もなく消え去っていた。
「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ボブにとっては初めての仲間の戦士であり、入隊したての自分のイロハを教えてくれた恩師の死によって感情のコントロールが利かなくなっていたボブは、そのまま敵めがけて突撃して行った。
ガッシャン!
機体が止まった、前に行こうとしても進まない。
感情が元に戻ったボブが見たものは目の前に聳え立つデスザウラーだった。
しまった!
そう思った瞬間デスザウラーは後退して行った。
振り向いたボブは10機ばかりのゴジュラスmk-2を見た。
「何をしている!全機後退だといっただろ!」
という言葉がボブの耳に入った。
同じ部隊の先輩の言葉だった。
ボブはゴドスを走らせた。全速力で。おやっさんの残した言葉を頭の中で繰り返しながら。
「お前は死ぬな」
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